プロの仕事

私がケアマネとして担当している一人暮らしの女性Sさんは、とてもこだわりが強い方。

ヘルパーさんに買い物を頼んだときも、買ってきた商品の品質に不満があると、大声でヘルパーさんを怒鳴りつけます。「あんた、それでもプロなの⁉返品して買いなおしてきなさい!」

他にも、ケアマネジャーの私に対して、「通院の時は一緒に来てDr.の話を聞くのが当然でしょ!」と言い、私がその日は他の予定が入っていて行けないことを伝えると、「行けないなんて、簡単に言うもんじゃない!あんたそれでもプロなの⁉」と怒ります。

そんな感じで、とにかくSさんは「プロならできて当たり前」が口癖で、ヘルパーさん達から、「ケアマネさん、何とかして~」と言われることが多いのです。

でも、介護保険で提供するサービスって日常生活を送る為に必要な支援であって、高級家政婦さんのようなサービスではないのです。身体機能が低下して出来なくなってしまったことをサポートして普通の生活に近づけるサービスなのです。つまりマイナスをゼロにする仕事。そしてそれを、なるべく多くの高齢者に提供する事が使命なのです。

だから提供する側も、ゼロをはるかに超えるプラス100や1000レベルのサービスを提供していたら、時間も手間もかかってしまう為、事業として成り立たなくなってしまうのです。だから、私たちが目指しているプロフェッショナリズムとは、最高レベルのサービスを提供する事ではなく、マイナスをゼロにする様なまあまあのサービスを、いかに多くの人に提供できるかということなのです。

この点、理解してもらうのはとても難しいんですがね・・・

今日もケアマネの悩みは尽きないのでした

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