なぜ最新のITシステム「えんじょるの」は、昔からある「電話注文による宅配」というアナログな仕組みにしているのか?
4回にわたるシリーズ最終回も、この疑問にお答えしていきますね。
高齢者は、使い慣れた「電話」しか使わないので、「えんじょるの」は電話注文にしていると前回ご説明しましたが、今回は、その電話注文に隠された、「えんじょるの」の最大の秘密をお教えしますね!何しろ、この部分で特許申請してるんですから、正に「えんじょるのの核」の話なんです。乞うご期待!
では早速、
「えんじょるの」の最大の特徴、それは電話注文なのに電話オペレーターが要らないと言う事なんです。
音声認識をするコンピューターが注文を聞くのではないかって?。いいえ、ちゃんと人間が電話で注文を聞くんですよ。
オペレーターもいないのにどうやって?って感じじゃないですか?
ではご説明しましょう。
通常電話注文を受けるオペレーターが、電話で確認する項目は3つあります。
1つ目は何を買ってくるかと言う事。
2つ目はどこのスーパーで買ってくるかと言うこと。
3つ目はどこに届けるかと言うことです。
この3つを確認しないと買い物代行はできませんからね。
さて「えんじょるの」はこの3つの確認項目のうち、2つ目の「どこのスーパーで買って来るか」という情報と、3つ目の「どこに届けるか(高齢者の自宅の住所)」の二つの情報を、高齢者の自宅の電話番号と紐付けて「えんじょるの」のウェブサイトに事前登録するようにしました。
こうすると、実際にこんな事が出来る様になるんですよ。
まず始めに、高齢者が買い物を頼みたい時、「えんじょるの」に電話を掛けると、「えんじょるのは」自動音声でこの様にアナウンスをします。「後で買い物に行ってくれる人から電話がかかって来るので、一旦電話を切ってお待ちください。」
そして、高齢者が電話を切って待つ間に、「えんじょるの」は、高齢者の電話の着信番号から、事前登録された情報を引き出して、
「今、○○に住む80代の女性が、○○スーパーで買い物をしてきて欲しいと言っているので、誰か買い物に行けますか?お礼は500円です。」
という案内文を、メールやLINEで登録援助者に一斉配信します。(当然ながら、この時点では利用者の個人情報は伏せて配信してあります)
案内文を確認した援助者の中で受託希望者がいたら、その人は「えんじょるの」に返信メールを送ります。これで無事マッチングが完了。(ここで初めてマッチングした援助者に、利用者の連絡先をメール配信します。)
マッチングが完了したら、決定した援助者は高齢者に電話をかけて、この時初めて、1つ目の「何を買ってくるか」を聞きとるという具合なんです。
お分かりになりましたか?ほんの些細な発想の転換ですけど、こうすれば確かに電話オペレーターは雇わなくても済みますよね。
注文時に電話オペレーターが不在と言うのは、ネットスーパーと同じなんです。さながら「えんじょるの」は「高齢者のネットスーパー」と言えるかも知れませんね。
こうして、めでたく電話オペレーターの人件費削減に成功!一歩幸せに近づきました!
という訳で、今回のシリーズは久々に頭を使ってブログ書いてしまいました。
「秘密大公開4回シリーズ」お読みくださりありがとうございました〜!