昨年神戸市で、22才の孫が90才の祖母を殺すと言う事件が起きました。祖母は認知症で、同居の孫が1人で介護を担っていたそうです。この事件で、一躍注目を浴びた若年介護者問題。
ところで皆さん「ヤング・ケアラー」って言葉聞いた事ありますか?家族の介護を担っている18歳未満の子供のことです。
この「ヤングケアラー」ってか言い方、実はあまり評判良くなくて、「日本語で若年介護者って言え!」って人が結構多いそうです。私もそう思った1人でした。
でも、「ケアラー」を「介護者」と訳してしまうと、直接お世話や介護をする人しか対象にならなくなってしまい、範囲が狭まってしまうから、あまり適切ではないようです。
例えば、「障害のある家族に代わって幼い兄弟の面倒を見る」とか、「直接介護はしなくても、一緒にいて見守ったり話を聞く」なんて言う事も「ケアラー」と言う言葉には含まれるからです。そう言われると、ナルホドですね。
私もヤングケアラーでした。
若年性アルツハイマー病の母のお世話してました。中学生の頃。もう35年も前です。
ヤングケアラーの最大の問題は、「誰にも相談できず問題を抱え込んでしまう事」です。何故なら、子供は経験が浅く自分の立場が客観視できない為、今の状態が当たり前と思い込んでしまったり、友人や先生に言っても共感して貰えないと思い込んでしまうからです。だから、周りが気付いてあげて悩みを聞き出す事が大切。そうやって何らかの支援に繋げることができれば、彼らはとても救われます。
今私は、
「今もどこかで介護で苦しんでいるヤングケアラーを支援をしたい!」
そんな風に思って、ケアマネジャーをしています。
もしかするとそれは、誰にも相談できずに苦しんだ昔の自分を助けたいからなのかも知れません。
大人は子供より長く生きています。つまり、それだけ多くの事を、既に世の中から受け取ってきたという事。ならば子供にも同じ様に受け取る機会を与えるべきです。それが先に生まれてきた者の使命だと思います。だから子供の学習時間や睡眠時間を介護で奪ってはならないと思うのです。
未曽有のこの時代に、もし今後仮に人類が高齢者と若者のどちらかしか生き残れないという極限の状況になったとしたら、政治や社会は未来ある若者が生き残れる方策を選択すべきでしょう。
私自身も、次の世代を担う若い人たちの為に犠牲を払える大人でいたいと切に思っています。