私はケアマネジャーです。高齢者を支援する仕事をしています。だからこそ高齢者の皆様にお願いしたいことがあります。
それは、
「今の若者に、あなた達と同じ歳まで生きられる社会を残してあげてください。」
という事です。
私はケアマネジャーと言う仕事柄、介護の仕事についている若者を数多くみて来ましたが、彼らの多くは高齢者に対して大変好意的です。それはなぜかと言うと、幼い頃に身近な高齢者から可愛がられ愛された経験が有るからです。その経験こそが、今の多くの若者を介護の仕事につかせているモチベーションなのです。
だから逆を言えば、もし今後世の中の若者達が、高齢者からの愛情を感じずに育ってしまったとしたら、ただでさえ足りない介護職員の数は今より更に激減してしまうでしょう。
だからまずありきは、年長者から若者への愛情だと思うのです。これは次の世代に命をつなぐ為の、人間の自然な姿とも言えると思います。
私の周りには若くして亡くなった家族や友人がたくさんいます。それに不幸にも自死したり病死や事故死、そして他殺された子供や若者達も世の中には大勢います。だから私はケアマネジャーとして70代、80代、90代の方々と接していると、ついこの若者達の人生と比較してしまいます。そして不謹慎ながらも、「あなた方は今まで生きてこられて幸せですね。」と感じてしまいます。何故ならそこには、若くして死んだ者達が決して感じることができなかった、長い人生を味わい尽くせたと言う幸せが有るからです。
確かに現代社会は世知辛い世の中です。だから皆さんは自分を守ることで精一杯かも知れません。それでも誰かがまず「与える」ことが、未来に幸せを生み出す小さな一歩になると私は信じています。
どうか愛情があるお爺さんになって下さい。若者に文句ではなく希望を与える言葉をかけてあげてください。
どうか感謝できるお婆さんになって下さい。皆さんの年金や薬代は若者が働いて納めた税金なのですから。医療費はなるべく節約して下さい。
そしてこのコロナ禍の中、重症化しやすい高齢者を守る為に、小さな子供達を含め多くの若者達が生活を制限している事を覚えて下さい。
そしてもし権力やお金を持っている方は、どうかその一部を若者達の為に使って下さい。あなたが与えた愛情は、あなたが生きた最大の証になる筈です。何卒宜しくお願い申し上げます。
私はそんなあなた方を心から尊敬し、ケアマネジャーとしてこれからも精一杯ご支援致したいと思います。