前回は交通弱者問題がどうして解決できないかと言う3つの理由を書きました。
その3つの理由を簡単に言うと、
1 タクシーは高くて使えない人が多い
2 公共交通機関は体力的に使えなかったり、利便性が悪くて使えない人が多い
3 自治体も事業運営のコストを負担しきれず、これ以上サービスを充実させられない
ということでした。
だから、この問題を解決するためには、「安くて、完全個別送迎」でかつ、「運営コスト」が安い仕組みを作る必要があるのです。
そこで今日は、私が「これからの日本にはこれしかない!」と考える唯一の方法をご紹介しますね。それでは説明をします。
今、日本の移動サービスを道路運送法の中で3つに分けると
① 許可が必要なバスやタクシー
② 登録が必要な自家用有償旅客運送
③ 許可登録が不要な互助活動による運送
になります。
①は皆さんご存知のサービスですが、そもそもこの①では交通弱者問題が解決できないから問題になっている訳です。先ほど言ったように、料金が高かったり、使い勝手が悪いから。
そこで②ですが、これはいわゆる非営利団体が非常に安い料金で(ほぼ奉仕レベル)送迎を行うことを認める制度。でも、この実施団体ですがここ15年間を見ても、全国的に数が増えていないのです。15年間ですよ!これでは「制度的に魅力がない」と言われても仕方がありません。交通弱者は増えているのに、サポートする団体が増えていない。この理由は、登録手続きの負担が大きいからだと思います。(あくまでも私の私見ですが、実際に面倒です。)今後も今の枠組みのままこの仕組みが広がる可能性は低いと思います。
そうすると、残るは③です。これは、いわゆる無償の送迎です。お金を1円も取らずに、自分のマイカーにのせて送迎するボランティアです。
「無償⁉ ボランティア!? そんなものが広がるの?」
と、皆さんきっと思われるでしょう。でも私はこの③に、日本の交通弱者問題を解決できる可能性を感じているのです。
今からその理由を書きます。
この③ですが、現在の道路運送法では下記の様に(1)-1から(4)-4まで9類型が認められています。
この9つ、見て頂ければわかりますが、全て無償サービスが絶対条件ですよね。
でもこの9つのパターンの中で利用者から運賃以外でお金をもらえるのがあるのです。どれだと思いますか?
それは、
(4)-3「子供の預かりや家事身辺援助等のサービスと一体的に行われる場合」
です。つまり、送迎は無料で提供し、送迎した後の身の回りの手伝いを有料にするのであれば、お金を取ることができるのです。
具体的に例を示すと、例えば買い物。ドライバーは家からスーパーまで無償で送り、スーパーで買い物付添いをすることに対して料金を頂く。この料金は、自費のサービス費用として契約で定めておく。買い物中は商品のピッキングや、会計、商品の運搬などを有料サービスとして提供し、買い物が終わったら再び無料で自宅に送迎するという訳です。これは買い物だけではなく、銀行や役場の付き添いなどの、高齢者の日常生活に必要な外出全般にも同じ様に使えます。
例えば、この付添い料金が2時間1000円という安い料金だったらどうでしょう?使う高齢者にとっては、往復のタクシー代よりも安くて、しかも付添いまでしてくれる夢のサービスになるはず!
一方でドライバーにしてみれば、手空き時間を使って、若干のお礼も貰えて、人に喜ばれるというメリットがあります。だから有償ボランティア感覚でやってあげようかなと思う人は地域に大勢いるような気がするのです。
私はこのマッチングに「えんじょるの」を使えば、登録やマッチングの手軽さからボランティアを大勢集めることができるし、オペレーターの人件費もかからないから超低コストで運用できるし、電話しか使えない高齢者でも簡単に使えるので、すごく良い仕組みになると思うのです。
もちろん付添いサービス契約の内容や、交通事故の保険の問題など課題は色々ありますが、そこは知恵を絞ってこれから解決すればよい!
いかがでしょうか?このアイデア。
これが私の、えんじょるの活用術第2弾!
「外出付き添いえんじょるの」なのです。
この仕組み、すでに特許も出願済み。
はたして日本の交通弱者問題解決の切り札になるか!? 賛同者募集中です!