「unsung hero」(アンサング・ヒーロー)
直訳すると、「賛美歌を歌ってもらえないヒーロー」
つまり、誰からも評価されない縁の下の力持ちとか、表には出ない影の立役者の事を言います。
カッコいい言葉ですね。
でも考えてみたら、unを取ったsung hero (讃美歌を歌ってもらえるヒーロー)なんて、現実の世界ではほんの一握り。殆どの人々は評価されずに生きています。
この言葉は私の友人から教わったのですが、ちょうどその時私たちは「ヤングケアラー」について話をしていました。
皆さんご存知ですか?この「ヤングケアラー」という言葉。
最近少し話題になってきていますね。これは、家族の介護やケア、身の回りの世話を担う18歳未満の子どものことを言います。当然彼らは、遊んだりスポーツや勉強に費やす時間もなく、中には睡眠時間を削ってまで家族の世話をしている子もいます。よく途上国で子供が家計を支えるために働いている話を聞きますが、それと全く同じ構図です。
「自分の成長の機会や将来への可能性を犠牲にして家族の世話をしている子供たちは、unsung hero そのものだよね。」
私たちはそんな話をしていました。
私も15年前にケアマネジャーをやろうと思った切っ掛けは、親を介護しているヤングケアラーの支えになりたいと思ったからでした。何故なら私自身がヤングケアラーだったからです。私の母は私が小学生の時に若年性アルツハイマー病になりました。その母を私は高校生になるまで介護していたのです。
「あの時の私の様に、介護で苦しんでいる子供たちを救いたい。」
今もそう思っています。
テレビなどで、とても優秀でステータスが高い方々を見ていると、もし彼らが若い頃にヤングケアラーだったとしたら、果たして今の地位を築くことができたのだろうかと考えます。彼らはきっと子供時代に何不自由ない生活を送り、存分に勉強する環境を与えられたから今があるんじゃないかなぁ…そんな風に考えてしまいます。
ヤングケアラーだけにとどまらず、生まれながらにして重い運命を背負って生きる子供達。彼らの頑張りを言葉で伝えられる大人になろう。そして、いつか「一般社団法人 生活互助支援の会」もそんな彼らを支援できる団体になりたい!
そんな風に思う今日この頃でした。
これは母を介護していた頃の気持ちを詩にした歌です。私が作詞をしました。宜しければ聴いてください。