出かけることが困難な高齢者にとって、マイカーで外出付き添いをしてくれるサービスがあると良いと思いませんか?
例えば銀行でお金をおろして、そのあとスーパーで買い物をしたいと思ったとき、車を持たない高齢者はどうするかというと、まずタクシー呼んで銀行に寄り(その間タクシーは待たせている)、その後スーパーまで行って買い物をします。買い物が終わったら、再び電話でタクシーを呼んで来るのを待ち、来たら運転手さんにお願いして買い物袋を車の中まで運んでもらい、乗って帰るとこういう流れになります。
もしこれが、外出付き添いサービスならどうなるかというと。
まず約束の時間に付き添う人がマイカーで家まで迎えに行って、そのまま銀行に寄って付添い、それから買い物に付き添い、買い物が終わったら家まで送ると、全く途切れなくサービスが提供できます。しかも、車の乗り降りや、買い物中の付添い、荷物運びまですべてやってくれるので便利ですよね。
私はこの外出付き添いサービスを、2時間1000円の有償ボランティアで実施したいと考えています。一番の理由は高齢者にとって料金が安いからです。例えば今回の例でタクシーを使って買い物行った場合、行きは【迎車料金+運賃+銀行で待っている待機料金】がかかります。そして帰りは【迎車料金+運賃】がかかってくるのでかなり高額になるのではないでしょうか。私の知り合いの高齢者は、買い物に行くのに、毎回往復5000円の交通費をかけています。
それともう一つの理由は、車の乗り降りや買い物袋の荷物持ち、または店内の付添いや会計時の手伝いなど、高齢者にとって必要な移動以外の細かな支援が、付き添いサービスであればできるからです。
でもこの外出付き添いサービス、簡単にはできないのです。これを仕組みとしてやるには、今のところ考えられる4つの課題をクリアしなければなりません。その4つとは、
1 マイカーで送迎することが道路運送法上の白タク行為にあたるのではないかという心配があること
2 運営するボランティア団体の運営費は誰が払うのかという事
3 そもそもそんなにボランティアが集まるのかという事
4 交通事故が起きた時のリスクは誰がとるのかという事
そこで、今回は一つ一つ私なりに考えた解決策をご紹介したいと思います。
1 マイカーで送迎することが白タク行為にあたるのではないかということ
→こちらに関しては、法的に白タク行為にはならないことが確認できています。なぜなら外出付き添いサービスはその名の通り送迎行為自体に料金が発生していないからです。この場合謝礼の1000円は、付添いに対する謝礼であって、送迎は含まれていません。送迎は無料サービスだからです。
2 運営するボランティア団体の運営費は誰が払うのかという事
→こちらに関しては、「えんじょるの」のマッチングシステムを使ってオペレーターを使わずに自動でマッチングさせるようにすることで、電話オペレーターの人件費を削減します。唯一かかるコストがマッチングシステムのレンタル代月額3万円ですが、これを寄付やクラウドファンディングなどで調達するのです。
3 そもそもそんなにボランティアが集まるのかという事
→これはやってみないとわかりませんが、私は集まると思っています。なぜなら「えんじょるの」は手空き時間を使って気軽にボランティアできることを目指したシステムで、一般的なボランティア団体よりもはるかにお手軽にボランティア登録ができるからです。例えば登録はすべてスマホで出来ますし、実施報告もスマホで完了。ボランティアの依頼はメールで配信され、メールを見たボランティアは都合よい時だけ受託すればよくて、都合が悪いときは放っておくだけという手軽さ。それでいてボランティアの本人確認もバッチリ行っています。実際に私個人で買い物ボランティアを集めたときは、地元の105人の方がボランティア登録してくれました。だから世の中には「手軽ならボランティアしてもいいよ」と思っている人は大勢いると信じています。
4 交通事故が起きた時のリスクは誰がとるのかという事
→正直ここが一番の難題です。通常高齢者を乗せて交通事故を起こしたら、運転しているボランティアに責任がかかってきます。マイカーなので当然ボランティア本人の自動車保険を使うことになるので、このことがマイカーを使う送迎ボランティアが増えない原因にもなっているのです。でも、つい最近この問題を一気に解決する保険がでたのです。その名も、
損保ジャパン「移動支援サービス専用自動車保険」
これまさに、マイカーを使った送迎ボランティアの為に作られた保険なのです。つまりこの保険を使えば、送迎中に起こした事故にたいしても自分の保険を使わなくてよいのです。まさに、時代に必要とされてできた保険ですね。詳しくはこちら↓
https://www.zenkoku-ido.net/temp/210319SOMPO_assurance_pop.pdf
もうこれからの時代は、地域住民同士が助け合わないと高齢者の生活が成り立たなくなると思います。なぜなら国も自治体も個人もお金がないからです。だから少しでもコストがかからない仕組みだけが生き残っていくのではないでしょうか。
いつの日か、超低コストシステム「えんじょるの」が大勢の人に認められる日が来ることを願って・・・