日本人が人助けをしない訳

チャリティー機関「チャリティーズ・エイド・ファンデーション(CAF)」という団体が、世界114カ国の人々に対して行ったアンケート。

「あなたはこの1ヶ月の間に、助けを必要としている見知らぬ人を助けたましたか?」

国別ランキングが出ています。1位はアフリカのナイジェリア82%。これは100人中82人が人助けをしたということ。それでは、果たして日本は114カ国中、何位だと思いますか?

答えはナント、114位の最下位。しかもビリから二番目のベルギーの25%に大きく離された12%というダントツビリ!

これ、日本人としてショックじゃありませんか?世界一、人助けをしない国民だったなんて・・・これって、世界一心が冷たい国民ってこと?

でもよくよく考えてみたら、そんな筈はないと思うのです。何故なら、私の周りの大抵の人は心優しい人達ばかりだからです。

では、何なのでしょうか、このアンケートの結果・・・

思うに、これは日本文化の特徴から来ているのではないかと思うのです。

皆さん、アメリカの文化 人類学者 R.ベネディクト が1946年に書いた『菊と刀』という本知ってますか?この本の中に有名な言葉があります。それは、日本は「恥の文化」であるということ。

「恥の文化」とは、人々が行動をするとき、「相手がどう思うか」そして「相手からどう思われるか」によって、やるかやらないかを判断する文化だそうです。だから、例えば「人に迷惑をかけること」は、「相手が嫌な思いをするし、その結果自分も相手から嫌がられる」ことになるから、日本人は「人に迷惑をかけること」を極端に避けようとする訳です。他にも、日本人の中に特に強い「同調圧力」。これも、人と違う事をすると「相手に不快感を感じさせる」=「恥ずべきこと」という風に考えてしまう日本人特有の感性から来ているようです。

この様な「恥の文化」の中では、助け合いがスムーズに広がらない事があります。

何故なら、助け合いが行われるためには、以下の①②の工程が必須だからです。

①まず始めに「助けて」と誰かが発信する

②それに対して誰かが「助けるよ」と答える

ここで大切なのは、この順番です。決して①と②は逆にはなりません。つまり、①の助けてほしい人が「助けて」と発信することがないと、永遠に助け合いは起きないのです。

そうすると、ネックになってくるのが「恥の文化」。「助けて」と発信する事は「人に迷惑をかけること」と考えてしまうから、日本人の多くは何も言わずにじっと我慢してしまうのです。

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必死にガマン

そうすると助ける側も、そもそも困っている人の存在に気が付かなかったり、例え相手が困ってそうに見えたとしても、助けてほしいそぶりを見せないので「手助けをすると、逆に迷惑なんだろうなぁ」などと余計な詮索をしてしまうのです。

よく助け合いを広めるためには「思いやりの心」とか「勇気を出して声をかけてあげること」とか「周りの人が気づいてあげること」などが大切なことだと言われますが、私はそうではないと思っています。何故なら、そもそも「困っている人がどこにいるかわからない、本当に困っているのかどうかも分からない」状況なのに、それを回りの人が思いやりの力で見つけ出そうというのも限界があると思うからです。

だから「助け合い」を広める為に一番大切なのは、困っている人が「助けて」とSOSを発信しやすい仕組みを作る事なのです。

皆様、お分かりでしょうか。日本人が人助けをしない訳。そして助け合いを広める為に大切なことは「SOSを発信しやすくすること」だという事を。

そしてそのような視点で考えたのが「えんじょるの」というシステムなのです。

SOSお手軽ですよ~。何しろ電話着信入れるだけ!

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