93歳の言葉

戦後75年目を迎え、戦争を体験している人は本当に少なくなっています。

そんな中、先日私はケアマネジャーとして関わっている93歳女性のTさんから、大阪で空襲にあった体験談を伺いました。当時Tさんは17歳。

 

焼夷弾が地面に落ちると、その周りに炎がバッと広がること。

空襲の後、沢山の人が道端で死んでいたこと。

草一本生えていない焼け野原で、お湯の中に少しだけお米をいれて食べたこと。

人々の混乱のさなかでも、陸軍の将校が威張っていたこと。

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Tさんは言いました。

「あんな想いを知ってる人なら、二度と戦争なんかせえへんよ。」

 

Tさんは、この世の最も悲惨な姿を知っている数少ない人です。そして今もその地点から現代の世の中を見ています。きっと私とは全く違う世の中が見えているのではないかと思いますが、Tさんの話を聞きながら、その実体験に基づく想いに共感せずにはいられませんでした。

 

そんなTさん、腎臓病があり日々の生活もやっとやっとの状態です。医者からは透析を勧められていますが、Tさんは「年間500万円の税金を自分の透析に使う位なら、そのお金を若い人の為に使って欲しい」と断っています。Tさんらしい判断だと思います。

 

限りある命、どのような生き方をしようが、必ず終わりが訪れる。ならばその時が来るまで、我が命をどう使うか。

終戦の8月、自分にとって「大切なこと」をもう一度見つめなおしてみたいと思います。

 

 

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